話者プロフィール:Sayaさん(@l0vu4evr)
学生時代には教育学を専攻。卒業後は教育関連の仕事に従事した後、英国の大学院進学を決意。University College London (UCL)の条件付き合格後、タイで日本語教師として勤務しながらIELTS Overall 7.0(min6.5)を獲得するために奮闘。
現在はブログでIELTSの勉強方法、大学院留学の様子、奨学金の情報を発信している。(Sayaさんのブログはこちらから)
IELTSを15回受けることになった理由を教えていただけますか?
イギリスのUCL大学院の本コースに行くためのIELTSの必須基準であったOverall7.0 (各スコア6.5以上)を達成するためにIELTS試験を受け続けたところ、気づけばIELTS試験を「累計15回」受けていました!!
はじめてIELTSを受けたのは2012年でOverall 6.5 (L6.5 R6.0. S7.0 W5.5)でした。その時はTOEICと違う英語の試験に挑戦してみたく受けてみただけでした。
その後2016年頃にイギリスの大学院に行ってみたい気持ちになり、IELTSの対策を始めていきました。前回受けた教訓もありライティングのテンプレートを用意するだけでIELTS Overall 7.0(L7.0 R7.5 S6.5 W6.0)獲得することができました。
UCLへの願書も出し英語のスコアさえ達成すれば大学に行けるConditional Offer(条件付き合格)を獲得することができていたのですが、Unconditional Offer(無条件合格)を獲得して留学するために、1年間合格を保留にしてタイで日本語教師をしながらIELTSを勉強することにしました。
Conditional Offerだと本コースに入った時に必要な英語力がなく苦労するかもしれない、またUCLのPre-sessional Courseは8週間で60万円が最低で必要なので、IELTS1回分の25,000円であれば25回は受けられると思ったという理由もあります。
そこから目標の点数に到達するために、2~3ヶ月に1回ペースでブリティッシュ・カウンシル主催のIELTS、IDP主催のIELTS、コンピューターベースのIELTS、Pre-sessional Courseのビザに必要なIELTS for UKVIなど、ホントに様々なIELTSを受けていきました。
そしてツラいことに、累計IELTSテストを15回受けましたが、留学を目指し始めた時と比べてIELTS Overall Score(総合点)はと0.5しかスコアがアップしていなかったんです。
IELTS試験を15回受けてわかった教訓
(これまでのIELTS勉強に使用したノート)
・IELTSリスニングとリーディングは頑張れば8.0が取れる
・IELTS7.0以上を目指す場合は海外の教材がおすすめ
・IELTSを教えてもらうなら経験者にすべき
・試験センターとテスト形式で点数が変わる可能性がある
1. IELTSリスニングとリーディングは頑張れば8.0が取れる
IELTSの勉強をスタートさせたばかりの頃に、ひたすら量をこなしました。
問題文を解いて間違えた所を見直していくことを何度も繰り返すとリスニングとリーディングは8.0を取るのは難しくないと感じるようになりました。
次にリスニング・リーディングそれぞれの対策について話していきます。
まずリスニング対策として、初期の頃は問題を解いてわからないところを調べて音読をやっていましたが、8.0が取れるようになってからがっつりとしたテスト対策は行わずBBCポッドキャストを聞いたり、YoutubeにあるIELTSリスニングテストを受けていました。
YoutubeにあるIELTS試験は問題文を先読みできないため本番よりも難しくなっているので、IELTS試験の前日に練習用として使っていました。
https://www.youtube.com/watch?v=cTeNfyIllHk
次にリーディング対策としては問題文でわからない単語の意味を調べたり、間違えた問題はどこで間違えたのかを考え理解することで点数があがっていきました。同じ単語を何度も調べていると、5度目くらいには「この単語知ってる!」という感じになりました。
あと合計100パッセージ以上は量を解いていたので、たくさんの量を練習すると大体どこが正解なのかがわかるようにもなってきました。IELTSリーディング7.0からそれ以上のスコアを目指す人は量をこなして振り返りを行うのがいいと思います。
(IELTSリーディングの勉強方法)
2. IELTS7.0以上を目指す場合は海外の教材がおすすめ
IELTSを勉強していく過程で感じたのは、日本語のIELTS教材だけで対策をするのは不十分だということです。
日本語で販売されているIELTSの教材のほとんどが6.5や7.0を獲得するための事例しか載っていないため、それ以上を目指す場合に参考にするものがありません。
またライティングタスク1では、そもそもイギリス人が求めるようなグラフの見方という視点が欠けているため、サンプルアンサーを元に練習をしても6.5や7.0を超えることは難しいと思います。
私はグラフでメインのポイントを掴むことが苦手だったというのがありますが、イギリスやアメリカでは学校の授業の中で概要を掴むという練習を行っています。IELTSではネイティブが考える思考回路も学ぶ必要があります。
ここで私が見つけたのが海外のウェブサイトでした。中でも「IELTS-SIMON」「IELTS Liz」を参考に勉強をはじめました。インターネットに転がっているモデルエッセイはほんとにバンド7.0なのか怪しく信頼出来ない部分が多かったですが、この2つのサイトは信頼できると思っています。
これらのウェブサイトにはアイデアのまとめ方からサンプルアンサーまで掲載されているのでIELTSで7.0以上を目指す人に参考にしてほしいです。
3. IELTSを教えてもらうなら経験者にすべき
(これまでに書いたライティングのエッセイ)
次に私が学んだことはIELTSを教えてもらうなら、IELTSの試験を受けたことのある人に教えてもらうべきです。
私はIELTS勉強の最後の3ヶ月ほど、縁があり、アメリカ系中国人の友達がIELTS Overall 8.0を獲得していた人に、ライティングを教えてもらうことができました。
この人と出会って、私はエッセイの書き方が変わりました。アウトラインの書き方や構成をきっちりと教えてもらいました。そのおかげでライティングの1文ずつがどのように採点基準に繋がっているかわかるようになっていきました。
タスクリスポンスはアイデア次第で課題になっていたのですが、教えてもらう前と比較して大幅に改善できました。
この人に出会うまで、私がライティングで6.5または7.0を獲得するためIELTSを勉強しているときに、元IELTS試験官やこれから試験官になるためにトレーニングを受けている人に出会いましたが…
結局IELTSを受けたことがなければ、IELTSの仕組みは私の方が詳しいということがわかりました。また採点基準はわかっても点数をあげるためのコツや勉強法を教わることは難しいと感じました。
4. 試験センターとテスト形式で点数が変わる可能性がある
私はBritish Council主催の試験をよく受けていたのですが、思うように目標点数が取れず、他の試験センターでの受験をトライしてみるのもありだと進められました。
British CouncilとIDPで試験を受けたことがある人に聞いてみたところ、どちらの試験で結果がでるかは「相性」にもよるということだったので両方の試験を受けてみることにしました。
これまでBritish Councilで受けてOverall 7.5(L 8.0 R 8.5 S 7.0 W 6.0)というスコアだったのですが、IDPでスピーキングを受けたところ2回連続でS6.0という結果になってしまいました。
私の手応えはいつも変わらず、失敗した印象もないので、結局はスピーキングの点数って試験官次第なんだなと思いました。私はIDPとは相性が合わなかったです。
次にコンピューターなら行けるかもと思い、CDIテストを受けてみたところ、これまで得点源だったリーディングが6.0まで落ちてしまいました。ページがすぐにめくれないことから。個人的にはやり辛さを感じてしまっていました。
このことから試験センターやテスト形式で点数が変わることがあるということがわかりました。私の場合はBritish Council以外で受けるとマイナスになってしまいましたが、点数が上がったという方もいるので試験センターを変えて受験してみるのもいいかもしれません。
IELTS15回の受験を振り返ってみて
IELTSと必死に向き合って「自分はホントに馬鹿なんじゃないか」と思うくらい自己肯定感が下がったのですが、いまは勉強してよかったと思っています。
私はIELTSを通して根気強く物事を進める力、またエッセイの書き方を学びました。IELTSができたからといって、どこかのタイミングで苦労することもあると思ので、留学は乗り切れると思っています!
また留学が終わる1年後にはもう一度IELTSを受けてみたいと思います(笑)自分の英語力がどれくらい変わったかを見てみたいです!
Sayaさんのブログについて
現在私は『「教育学」をロンドン大学(UCL)で深めてみよう ーsayaの挑戦日記ー』というタイトルでブログを運営しています。私が留学を決めた時に、IELTS、UCL進学やPre-sessional Courseに関する情報が少なくて苦労したことから、少しでも役に立てるようにリアルな体験談を綴っています。
例えばイギリス留学をする時にPre-sessional Courseの受験では通常のIELTSではなく「IELTS for UKVI」の受験が必要になったりという情報は、インターネットではあまり出回っていませんでした。
私の場合、大学院側から直前になってIELTS for UKVIのスコアの提出を求められ気づきましたが、こうした最新の情報を渡しのブログで伝えていきたいです。
また私はブログで自分のライティングのサンプルを掲載しています。これらのサンプルは私が書いたライティングを添削してもらっているもになるので、6.5から7.0にはなっていると思います。ぜひ参考にしてください!
編集後記
今回のIELTS体験談では、いつもとは違った形式でIELTSを受けた教訓をまとめました。Sayaさんからお話を聞けば聞くほどIELTSってツラいテストだなぁと思い、当時IELTSを勉強していた自分と重ね合わせて聞いていました。
このインタビューを通してSayaさんに対して感じたことは、IELTSのテストを通して自己肯定感が下がったといいつつも、ギリギリまで目標点数を獲得しようとして諦めなかったことだと思います。
ライティングだけで見るとスコアが伸びなかったという事実はありますが、この粘り強さがあったからこそIELTSリスニング・リーディングが当初の6.0から8.0または8.5まで上がったのかと感じています。
またこのインタビューを通して、改めてアウトプット科目であるスピーキングとライティングの難しさを感じました。IELTSの採点基準は話せる書けるから点数が取れるわけではないので、考え方で躓く人はインプット科目の強化を優先的に勉強することで、目標スコア達成に近づくと感じました。
Sayaさんのインタビューがよかったという方は、SNSでシェアしてくださると更新のモチベーションに繋がりますm(_ _)m