イギリスの大学院に進学を希望する多くの学生にとって、IELTSスコアを達成することは、大きな課題です。
必要なスコアは大学や学科によって異なり、「どのスコアを目指せばいいのか?」と悩む方も少なくありません。
この記事では、イギリスの大学院進学に必要なIELTSスコアを有名大学別、さらには科目別に詳しく解説します。
さらに、もしスコアが足りなかった場合の対策方法もご紹介しますので、最後までお読みいただければ、何から手をつけていいかわからない、スコア目標がわからない方にとって役立つ情報が見つかります。
イギリス大学院での英語力要件とは?
イギリスの大学院に入学するためには、高い英語力が求められます。
一般的に、受け入れられる英語テストとしてはIELTS、TOEFLが主流で、最近ではDETというテストでも入学可能になっています。
イギリスの大学院では以下の英語要件が求められることがほとんどです。
IELTS(International English Language Testing System)
- 一般的な最低スコア: 6.5(各セクションで6.0以上)
- 名門校や特定の学部: 7.0以上(各セクションで6.5以上)
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)
- 一般的な最低スコア:88〜100点(各セクションで20点以上)
- 名門校や特定の学部:100点以上(各セクションで22点以上)
DET(Duolingo English Test)
- 一般的な最低スコア: 110〜120点
- 名門校や特定の学部: 120点以上
一般的なIELTSスコアの基準
イギリスの大学院では、IELTSスコア6.5以上が必要とされることが多く、特に一部の名門校や特定の学部では、スコア7.0以上が求められる場合もあります。
例えば、文系の学部や法学部では、ライティングやスピーキングのセクションに特に高いスコアを要求することがあります。各大学のウェブサイトで詳細を確認することが重要です。
またIELTSのOverallスコアだけでなく、各セクションのスコアも一定の基準を満たす必要があることが多く、英語要件のハードルは比較的に高いです。
学校別必要なIELTSスコア
ここではイギリスで有名な大学のIELTS必要スコアについて見ていきます。特定のプログラムではさらに高いスコアが要求される場合もあるため、入学要件の確認が必要です。
オックスフォード大学・ケンブリッジ大学
オックスフォードとケンブリッジ大学はイギリス国内のトップクラスの大学と知られ、高い英語要件を求められます。
- 人文科学や社会科学の多くのプログラム: 総合スコア 7.5 以上、各セクションで 7.0 以上
- 理系や工学系のプログラム: 一部は総合スコア 7.0 以上、各セクションで 6.5 以上
インペリアル・カレッジ・ロンドン
インペリアル・カレッジ・ロンドンは、特に理工系や医療系のコースで人気の高い大学です。
- 人文科学や社会科学の多くのプログラム: 総合スコア 7.0 以上、各セクションで 6.5 以上
- 理系や工学系のプログラム: 一部は総合スコア 6.5 以上、各セクションで 6.0 以上
オックスブリッジに比べては英語要件の基準が下がりますが、それでもIELTS7.0が必要です。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)は、社会科学や経済学に特化した高難易度のコースを提供しています。
- 人文科学や社会科学の多くのプログラム: 総合スコア 7.0 以上、各セクションで 6.5 以上
- 理系や工学系のプログラム: 一部は総合スコア 7.0 以上、各セクションで 6.0 以上
IELTSの全体スコアで7.0以上が一般的な要件となっており、文系・理系などの学部によって各セクションの求められるスコアが異なります。
エディンバラ大学
エディンバラ大学はスコットランドにある大学で、医学、法学、文学・人文科学の学部が人気を集めています。
- 人文科学や社会科学の多くのプログラム: 総合スコア 7.0 以上、各セクションで 6.5 以上
- 理系や工学系のプログラム: 一部は総合スコア 6.5 以上、各セクションで 6.0 以上
イギリスの有名大学の基準
その他、イギリスの有名大学では一般的に、全体スコアで6.5から7.5のIELTSスコアが要求されます。
各大学や学部ごとに具体的な要件が異なるため、入学を検討しているコースの詳細を確認することが大切です。
また、多くの大学では、特定のセクションでの最低スコアも定めているため、バランスよく高スコアを取ることが求められます。
短期間のファンデーションコースに参加する場合は必要スコアの0.5から1.0のスコアが足りていない場に参加できることが多いため、最低でも5.5以上の英語力が求められます。
科目別必要なIELTSスコア
イギリス留学で人気の学部のIELTSスコアの基準を紹介します。具体的なIELTSの英語要件は各大学・学部によって異なるため、公式サイトにて確認してください。
ビジネス・マネジメント(MBA)
MBAを含むビジネス・マネジメントのプログラムへの進学には、6.0から7.5のIELTSスコアが求められます。
ビジネスや管理の分野では、プレゼンテーションやコミュニケーション能力が重視されるため、高い英語力が求められます。
University of Strathclyde Business School
グラスゴーにあるビジネススクールの場合は、IELTS Overall 6.5(各セクションのスコアが5.5以上)になっています(公式ページのリンク)。
工学部(Engineering)
日本でいうと理工学部・工学部と言われており、卒業後は製造業、建設業、エネルギー産業、情報技術、航空宇宙、医療など、幅広い業界に就職をしています。
工学部では、一般的に必要とされるIELTSスコアは6.5~7.0程度です。
研究や実験が中心のため、他の分野ではIELTS 7.0で求められていても6.5があれば進学可能な場合があります。
University of Edinburgh
コンピュータサイエンス、情報工学、電気工学などで高い評価を得ているエジンバラ大学では、IELTS Overall 6.5(各セクションのスコアが6.0)となっています。
国際関係学部・国際開学部(International Studies)
国際関係学部はプログラムの人気や評判が高く、文系だと偏差値も高い学部です。ただIELTSスコアは一般的な基準と同じで6.5~7.5が必要です。
University of Sussex
国際関係で有名な学校であるサセックス大学では、国際政治、グローバルな開発、紛争と平和、国際経済などの分野について学ぶことができます。IELTSスコアはOverall 6.5(各セクションで最低 6.0 以上)必要です。
医学部(Medical)
医療分野では、通常7.0以上のIELTSスコアが必要とされます。
医療文書の読解や議論が頻繁に行われるため、高度な読解力と文章力が要求されます。法学部への入学を目指す場合、特にリーディングとライティングのスコアに注意を払う必要があります。
University College London
医学部だけでなく公衆衛生学を含む分野で先進的な医学研究を実施しているUCLはIELTS Overall 7.5(各セクション最低でも7.0)が必要です。
教育学(Education)(TESOL)
TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)は、異なる言語を母国語とする人々に英語を教えるための教育プログラムですが、英語要件は他の文系学部と同様の6.5~7.5になります。
University of Nottingham
教育学部が提供するTESOLプログラムは、実践的な教授法と理論的な研究に重点を置いています。
IELTSスコアが足らない場合は?
IELTSスコアが不足している場合の対策方法をご紹介します。
ひとつめは、大学付属または提携しているファンデーションコースや語学学校を利用する方法もあります。
これらのプログラムに入学するための最低限のIELTSスコアは通常5.0から5.5です。このようなコースを修了することで、正式な大学院プログラムへの進学が可能になります。
ふたつめは、自習学習やオンラインスクールを利用してスコアをあげる方法です。
ただし、英語力を証明するスコアの提出には期限があるので、達成できない場合は入学時期を遅らせることを視野に入れる必要があります。
ファウンデーションコース
ファウンデーション コース と は 通常1年以内のプログラムであり、イギリス大学の合格に向けて、それぞれの分野の基礎知識とスキルを身に付け、アカデミックな英語力を向上させることができます。
例えば、「INTO 大学パートナーシップ(INTO University Partnerships)」でファンデーションコースを履修し、成績を納めることで、大学の英語基準を満たしたとされ、パートナー大学への進学が保証されます。
INTO UKのパートナー大学は以下の通りです(Times Higher Education 2021)。
- マンチェスター大学 – #50 世界大学ランキング
- エクセター大学 – #174 世界大学ランキング
- ニューカッスル大学 – #200 世界大学ランキング
- クイーンズ大学ベルファスト – #200 世界大学ランキング
- イーストアングリア大学(UEA) – #200 世界大学ランキング
現在、イギリス国内には 12校のINTOスタディーセンターがあり、ファンデーションコース、インターナショナル・イヤーワン、修士ディプロマ(Graduate Diploma)、修士準備コース(Pre-Master)、Aレベル、英語語学コースなど様々なコースを提供しています。
これらのスタディセンターで学ぶことにより、90の教育機関から進学先を選ぶことが可能であり、INTOの進学準備コースでは 優秀な成績を納めて大学の入学基準を満たすことで、パートナー大学への進学が保証されています。
オンラインコース
近年、IELTSスコアを伸ばすための英会話スクールが増えています。多くのスクールでは、経験豊富なネイティブ講師がリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの各セクションを徹底的に指導します。
英語の基礎から着実にスコアを伸ばすスクールから、3ヶ月でスコアアップを目指せるスクールなど、たくさんのオンラインスクールがあります。
https://ielts-a-room.com/category/school-service/
まとめ
大学院進学のためには、各専門分野に応じたIELTSスコアを達成することが求められます。
人文科学・社会科学や法学などの分野では特に高いスコアが必要となることが多い一方、自然科学や工学などでは比較的低めのスコアで進学可能な場合もあります。
具体的なスコア要件は、志望するプログラムや大学によって異なるため、事前に確認して目標スコア達成を目指しましょう!