IELTS6.5を取得し、イギリスのブリストル大学で国際関係学を学ばれたUさんは、現在、外資系企業で活躍されています。イギリス留学をきっかけに日本だけでなく、どこでも働いていける自信がついたとのことです。
そんなUさんは社会人になってから、イギリス留学を決意されました。商社で始発・終電で帰るような忙しい日々を過ごしている中で、どうやってIELTSを目標点数まで伸ばしたのか?についてお話をお伺いしてきました。
話者プロフィール:Uさん
千葉県出身。大学卒業後、日本の大手専門商社に入社。会社での激務な毎日の中で働き続けるよりも何かおもしろいことを成し遂げたいと海外留学を決意。2年の準備期間を経て、イギリスのブリストル大学に入学。帰国後、日本の外資系企業に勤務。
インタビュー目次
- Uさんってどんな人?大学院留学を決意したきっかけは?
- イギリス留学を決めたときの英語レベルは?
- イギリス大学院選びについて
- イギリスの留学生活はどうだった?
- 今後のUさんの英語学習と生活について
- 編集後記
Uさんってどんな人?大学院留学を決意したきっかけは?
私は千葉県の出身で、大学は埼玉の私大に進学しました。言語文化学科で異文化や国際政治について学びました。英語での授業が多くて、ゼミも英語という環境で過ごしました。
大学卒業後に日系大手の商社に入社しました。そこでは毎日朝から晩まで働きました。忙しいときだと始発で行って終電で帰るみたいな日々でした。ピーク時じゃなくても、終電で帰っていたので学ぶことも多かったですが、すごく過酷な環境でした。
そういった状態で4年くらい過ごしたときに、もっと別のことがしたいと思い、海外での大学院留学を徐々に決意しました。先輩たちの姿を見て、働き続けるのはおもしろいわけではなく、20代のうちに新しい仕事と関係なくおもしろいことにチャレンジしたいと思うようになったのがきっかけです。
そんなこんなで大学院留学を決め、決断から2年の準備期間を経て、留学をしました。
あともうひとつ大学院に行ってみたかった理由は、大学は指定校推薦で入ったので、大学受験をしてなかったんです。だから一回くらい勉強で苦しんでもいいんじゃないかと思いました(笑)
Uさんの英語力とIELTSを勉強法を教えてください
大学時代の英語レベルはどれくらい?
大学に入学して一番はじめに受講したTOEICは、驚きの300点台でした。大学の英語のクラスも15クラス中15番目という結果でしたね。当時は焦りました(笑)
やっぱり就職活動でTOEICの点数で評価されることもあったので、英語の勉強しないとと思いました。でも当時ジャズサークルに入っていたので、忙しくてあまり勉強時間が取れなかったんです。
時間がなかったのもあって勉強らしい勉強は特にしてないのですが、キムデギュンの『TOEIC Test「正解」が見える』という本に出会ったことで点数が300点くらい一気にアップしました。
その本を読むとTOEICを解くコツがのっているので、その通りにやっていくと点数が自然と伸びました。
もう1つの勉強法としては『英語耳』という本を使ってリスニングを伸ばしました。演習スタイルというよりか、これも読むタイプの本でした。この本を読んで英語と日本語の音を理解すると、私のリスニングがあがりました。
大学院留学を決意したときの英語力はどれくらい?
大学院留学を決意したのは社会人4年目の年だったのですが、TOEIC850点くらいだったと思います。大学の時に就活のためにTOEICの勉強をして750点、社会人になってから数回受験して850点になりました。
そこからスタートしたのですが、はじめてIELTSを受けたときのスコアはOverall 5.0でした(笑)
IELTSの勉強方法とその結果は?
IELTSを初受験したときに自分のスコアに驚いてしまいました。大学院に必要なスコアは6.5だったので、当時5.0だとすると1.5もあげないといけないわけです。
そこから大量に単語帳、文法書、過去問集などを買い込みました。買うまではよかったのですが、仕事が忙しくて勉強してられなかったので、IELTSの試験を受けながら要領を掴んでいくという形でした。
勉強時間は平日は通勤時のみ、土曜日も疲れて勉強できない、日曜日だけ集中して勉強していました。商社勤務時代はほんとに時間がありませんでした。
メインでやった勉強法は2つで、『ターゲットバンド7』という本を読むこととオンライン英会話だけでした。
『ターゲットバンド7』を読むことでIELTSの解き方のコツがわかって、問題に回答するときの優先順位がつけられるようになりました。
例えばリーディングだと、ある問題文だとサマリーを聞いているから全文読まないと理解ができないから、一度スキップしてあとで戻る、という感じです。
ライティング・スピーキングの勉強もトピックによって知ってる単語・知らない単語がわかれるので、そこを勉強していると際限がないので、文章の構成と点数が取れる言い回しを覚えることに専念しました。
少し細かいテクニックですが、ライティングの場合、必要字数が決まっているのでパラグラフごとに字数を数えて調整してました。
タスク2を例にとって説明すると、全体で250語から300語程度必要です。イントロで50語、ボディで150語(パラグラフが2つあれば75語ずつ)、コンクルージョンで50語を目安にして、足りなければ次のパラグラフで追加しました。
スピーキングは、オンライン英会話の『レアジョブ英会話』を使っていました。レアジョブにはELTSの教材はないのですが、IELTSを教えることができる講師がいました。何回か講師を見つけてお気に入りの講師を繰り返し予約、IELTSのサンプル質問集で練習をしていました。
そんな勉強方法を続けていると、願書を出願してからの半年(2月から6月くらい)で4回受験してOverall 5.0から6.5までスコアをあげることができました。
でも、イギリスの大学院から求められているOverall 6.5(全部のスコアで6.0以上)という条件は達成できないままでした。それでも大学院が提供する準備コース(Pre-sessional courses)に入れば、大学院には進学できるので、準備コースに進むことにしました。
今IELTSの勉強を振り返るとインプット系(リスニング・リーディング)は本を読んで勉強をできてたのでよかったのですが、アウトプット系(スピーキング・ライティング)はずっと苦手意識がありました。当時の自分にもっと勉強しろって感じで思っちゃいます(笑)
イギリス大学院選びについて教えてください
イギリスを選んだきっかけ
海外の大学院留学を決めたときにはイギリスの大学院に行くというのは決めていました。
イギリスを選んだきっかけは大学時代の研究が関連していたことと歴史のある国を選んでみたいというのがあります。
留学エージェントは使いましたか?
留学するときに2社のエージェント使いました。1年目がSI-UKで2年目にBEOを使いました。
SI-UKもフレンドリーで悪くはなかったのですが、国際関係学で幅広く学んでみたいと思っていたのですが、大学時代の学部が言語文化学科だったので国際関係学で出願すると落ちる可能性があると言われました。
結局1年目はSI-UKのアドバイスに従ってニューキャッスルの異文化コミュニケーションと他2校に出願したのですが、やはり国際関係学が勉強したいと思い1年間、検討期間を伸ばすことにしました。
2年目にBEOに相談したのですが、私のバックグラウンドだと国際関係学に受かる可能性もゼロじゃないとおっしゃっていただきました。結果、出願したすべての大学院から国際関係学部の入学のオファーをもらいました。
エージェント選びに関しては、1年間の留学生活を左右するものなので、合わないかもと思ったらデポジットは戻ってきませんが、別のエージェントを利用してみるべきです!
学校の決め方は?
学部を国際関係学でいくと決めた後に、場所をなんとなく決めました。ロンドンだと物価が高く、都会なので合わないかなと…。千葉県出身で、千葉が大好きなので少し田舎だけどロンドンにすぐアクセスできるみたいなところにしようと思いました。
なのでロンドン近辺とウェールズの大学の国際関係学のクラスの案内を見ていきました。またせっかく1年も行くのに授業がおもしろくなかったり自分に合わなければイヤだと思い、全部で100校以上の学部の案内を見比べていきました。
最終的にブリストル、バース、バーミンガムのカリキュラムがいいと思いました。第一希望は国際関係学、国際安全保障学、国際経済学3つが幅広く学べるブリストル大学に決めました。
イギリスの留学生活はどうだった?
まず環境に慣れるためにも、夏から始まる大学院準備コース(Pre-sessional courses)を受講しました。大学院のコースが本格的に始まる前に、友人ができたり、生活必需品等を揃えることができたのはよかったです。
実はバスでブリストルに降り立ったときから特に違和感がなかったので環境に適応する時間が必要だったかはわかりません(笑)でも、大学院準備コースでイギリスの環境に慣れることができたのはよかったです。
大学院のコースが始まって、授業は少ないですがたくさんの課題があるので、それをこなすのに必死でした。そんな忙しい中でもハウスパーティーを開いたり、学部のみんなでポーランドに旅行したりと楽しんでいました。
経済面でいうと自分で稼いでいたお金で留学したのですが、留学すると決めてから年間で200万円貯めました。留学していた2015年は1ポンド=180円から200円という為替だったので、最終的には授業料、滞在費、旅行費等も合わせて500万円程度の出費となりました。
Dissertation(論文)がしんどかったですが、行ってよかったと思ってます!留学のきかっけとなったしんどいことを経験したいという希望は、イギリス大学院留学で十分叶ったと思います。
イギリス大学院留学から帰国後、英語でどこの国の人が話しかけてきても、物怖じしないというか、適応できる能力が備わったのはよかったです。
今後のUさんの英語学習と生活について
まず英語に関してですが、今は外資系のメーカーで働いているので英語でのやり取りは必須です。また英語ができるとレベルの高い仕事がもらえるので、英語力は落とさないように気をつけています。
次に仕事に関してですが、外資系企業で働くと業績悪化などで解雇されたりする事例もあります。なので、会社という機関でお金をもらいながら勉強して自分の市場価値をどんどんあげていきたいと考えています。
最近ではどんどん積極的に手を上げて新しいプロジェクトに参加しています。できることも増えるし、期待されるようになるし、別のところでまたチャンスが舞い込んできたりするので、いいことばかりです。
今後のことを考えると、20年後などを考えた時に日本で仕事があるかもわからないですし、どこにいっても働ける人材になっておきたいです。
編集後記
今回のインタビューではIELTSの勉強法からお金の話など踏み込んだところまでオープンに話していただき、Uさんの懐の深さに感謝しています。
インタビューでは時間がないからインプット中心の学習でも、要領がわかればIELTS6.5を獲得することはできるというのを知りました。もちろん継続して何かコツコツやることも大事なのですが、Uさんが教えてくれた、時間がないなかでの勉強法は大変勉強になりました。
目標点数から現時点での英語力のギャップを「俯瞰する」こと、そのギャップを埋めるために「要領・コツ」を学び、実践で活かすこと、これはIELTS目標達成のために重要なスキルだと思います!
【本記事で紹介した書籍】